『前科者』観てきました。
重くて辛くて苦しいけれど、とても希望のある映画でした。
もう少し詳しい感想を。
ネタバレ含みます。
不器用で孤独な人を演じるのが上手いなぁ剛ちゃんは。
保護司というものを私は知らなかったのですが、凄く大変な仕事ですね。
私は比較的田舎の地域でのほほんと生きている人間なので、何というか、違う世界の話のようでした。
でも私が知らないだけで近くに『前科者』は居るかもしれないし、保護司だって居るのでしょう。
知らない世界を知ることが出来るというのは、映画やドラマ、小説の醍醐味のひとつですね。
犯人だと思われて警察に追われる誠。
誠は警察の動きを知らないし、自分でそう仕向けたところもあるのですが、完全に誠が犯人だと決め付けて捜査をする警察官怖い…と思ったり。
まぁ警察側からしたらどう考えても犯人だから仕方ないですが、向き合ってきた阿川さんからすると、そんなわけない、そんな人じゃない!と思うのも勿論で。
でも急に居なくなってしまったのは事実だし、なんで話してくれないの、頼ってくれないの、と思うけど、
誠からしたらこれ以上迷惑は掛けられないし頼るわけにもいかないし。
信じている信じていないという話ならもっと単純で簡単なのかもしれないけれど、誠は阿川さんに感謝していて安心していて、だからこそ裏切っているのが苦しくて辛かったんだろうなぁ。
でも弟の実を見捨てることはしたくないし、護りたいし、
警察に一緒に行って自首させるのが正しい対応なのだろうけど、やっぱり感情はある訳で。
弟が警察に捕まるのは嫌だし、辛そうな弟を助けてあげたいし、誰にも相談するわけにはいかないし相談したって自首を促すように言われるだけだろうし。
理性と感情の狭間で悩んでいる誠が優しくて弱くて可哀想で、なんでこの人が幸せになれないんだろうと辛くなりました。
実に会わなければ良かったのかもしれないし、でも実に会えたのは嬉しかったし。
感情って本当に難しい。
阿川さんに誠がブン殴られて、抱きしめられた所は、誠が小さな小さな少年に見えました。
辛い環境で育った人が皆悪い方へ行く訳では無いと勿論思いますが、それでもやっぱり小さい頃の家庭環境ってとても大切で、
愛情というものの必要さを実感しました。
養護施設だとか裁判だとか警察だとか社会福祉だとか。
そういうものについてもっと考えなければと思わされた作品です。
楽しい映画ではないけれど、観て欲しいなぁ。
さぁ、パンフレット読もう。